「酵母エキス」ってなに? 化学調味料と何が違うの?実はうま味の正体は同じ?
スーパーの商品ラベルでよく見る「酵母エキス」。 「なんとなく体に良さそう」「無添加っぽい」…そんな印象があるかもしれませんが、そもそもこれって何? そして「化学調味料」とは何が違うのでしょうか?
実は、どちらもうま味を加えるためのもので、化学的にはかなり似た存在でもあります。 この記事では、酵母エキスの正体から化学調味料との違いまで、わかりやすく解説します。
酵母エキスってそもそも何?
酵母エキスは、パンやビールに使われる「酵母」という微生物を原料にした、うま味成分たっぷりの調味素材です。
原料と作り方
- 原料:ビール酵母・パン酵母など
- 製法:酵母を分解し、うま味成分を抽出
つまり、「微生物からうま味を取り出して調味料にしたもの」です。
どこに使われているの?
酵母エキスは、さまざまな加工食品に入っています。
- カップラーメンのスープ
- 冷凍食品
- ポテトチップス
- レトルトカレー
- コンソメやブイヨン など
「無添加」「化学調味料不使用」と書かれている食品でも、代わりに酵母エキスで味付けされていることがよくあります。
化学調味料とはどう違うの?
化学調味料とは、主に「グルタミン酸ナトリウム(MSG)」などの人工的に精製されたうま味成分のこと。 昔からある「味の素」などが有名ですね。
一方で酵母エキスは、天然由来の素材から取り出されたうま味ということで、製法の過程が全然違います。
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でも、化学的にはほぼ同じ?
はい、ここがポイントです。
どちらも最終的に人間の舌に届ける「うま味成分」自体は同じです。
代表成分 | 化学構造は共通 |
---|---|
グルタミン酸 | 昆布や酵母、MSGに含まれる |
イノシン酸 | かつお節や酵母由来 |
グアニル酸 | しいたけや酵母由来 |
つまり、どう作られようが、体が感じる“うま味”の正体は同じ分子なのです。
違いは「製法」と「イメージ」
比較項目 | 酵母エキス | 化学調味料(MSGなど) |
---|---|---|
原料 | 酵母(微生物) | デンプンなどを原料にした発酵・合成 |
製法 | 酵母を分解して抽出 | 化学的に精製・純度が高い |
消費者イメージ | ナチュラル、安心感? | 人工的、避けたいという声もある |
まとめ:「うま味」の化学的中身はどちらも同じ
酵母エキスも化学調味料も、 最終的には「うま味成分」という同じ物質を私たちに届けているという点で、化学的には違いがないとも言えます。
ただし、
- 作り方
- 混ざっている他の成分
- パッケージ表示やイメージ
こうした要素によって、私たちが受ける印象や選び方は変わってきます。
つまり、
「化学調味料を使っていない」と書かれていても、「酵母エキス」が入っていれば、うまみを加えるという点では“味の素を使っている”のと同じです。